「予防接種」という誤解について。

  • 2018.01.02 Tuesday
  • 17:07

けっこう、誤解している人が多いような気がします。

予防接種をしておけば、病気に「かからない」「もらわない」と思っている方、多いです。

その結果、「予防接種をしたけど風邪をひいた」「予防接種が効かなかった」「予防接種をしたことが無駄だった」と残念に思われる方もいるようです。

 

お気持ちは良くわかります。

でも、そうではないのです。

 

例えば、ここではインフルエンザ予防接種に話を限定します。

本来「予防」とは、「未然に防ぎ、事態を悪化させない準備をすること」を言います。

 

 

「インフルエンザ予防」とは

 

1.「インフルエンザ感染者に近づかない」「インフルエンザ感染者を隔離する」→ウイルスに接触しないこと

2.「マスク、手洗い、うがい」→ウイルスの体内への侵入を防ぐこと

 

そして

 

3.「予防接種」→ウイルスに対する免疫を高めておくこと

 

これら一連の行為を指します。

 

 

つまり、「予防接種」はあくまで「インフルエンザ予防」行為の一部であるということです。

「予防接種」という言葉は「予防」の部分が一人歩きをして、まるで予防接種のみで全て完結するかのような誤解を受けているのです。

 

細菌やウイルスなどの微生物は、生活環境のあらゆる場所、皮膚や空中にも存在します。

日常生活を営む上で、目には見えないこの厄介者からヒトは逃れるすべがありません。

微生物などが体内に入り病原体と認識された状態を「感染状態」と言います。

そして、病原体を鋳型として白血球や抗体など病原体を攻撃する物質が増殖し、無毒化もしくは体内から排除しようとする働きを「免疫」と言います。

 

「ワクチン」とは、「病原体の疑似物質」もしくは「病原体自体を弱毒化したもの」であり、「予防接種」とは、ワクチンを体内に取り入れることであらかじめ免疫物質を高めておくものです。

言い換えると、病原体に実際に感染した時には既に迎撃態勢が整っている状態にしておくのが予防接種というものなのです。

 

ここで上記の「インフルエンザ予防」を見直してみると、1.→2.→3.の順に感染のリスクが高まっていることがわかります。

1.「ウイルスに接触しない」のが一番効果が高いのは言うまでもないことですが、3.「予防接種」が効果を発揮する段階とは1.と2.を超えて、インフルエンザに「かかっている」「もらっている」、つまり既に「感染状態」ということなのですね。

予防接種をしたからといって、インフルエンザ感染者と長時間同じ環境にいれば1.「ウイルスに接触しない」を飛ばしてしまっているわけですから、インフルエンザをもらう確率は高いと言えます。

 

免疫とは病原体と免疫物質との戦いの場であり、その結果として熱が出たり(ウイルスを攻撃している)、咳が出たり(ウイルスを気管から外に出そうとしている)、鼻水が出たり(鼻腔粘膜からの侵入を防ごうとしている)するのです。免疫状態が高いといえども、風邪をひけば症状が出るのは当然のことなのです。

 

それでは、結局はインフルエンザをもらってしまうし、症状も出てしまうのであれば「予防接種」をする意味はないのでしょうか。

 

例えば、健常な成人であればそのうち免疫が高まって自然治癒してしまうこともあるでしょう。

予防接種の効果はその期間を短縮させる程度と考えて差し支えないほどです。

しかし、どうしても外せないお仕事や、時には受験のような人生を左右するイベントを控えた時はどうでしょうか。

予防接種をしたことで症状が軽度で済んだ、もしくは「予防」の意識が高まり感染を未然に防げた、ということがあれば、予防接種は有効であったと言えます。

また、小さい子供や高齢者は体力が弱く症状が長引くと重症化してしまうことがあります。

体力の消耗や食事が十分に取れない状況が長く続けば、他の菌による二次感染を引き起こしたり持病を悪化させたりして命の危険に関わる状況になることさえあります。そういった可能性を少しでも減らせるのであれば、予防接種は有効と言えます。

 

免疫状態が高い→病原体を早く駆逐できる→「症状が軽く済む」または「早期に終息する」、という効果が期待できる。

これが「予防接種が効いている」ということです。

一方、免疫の付き方には個人的要因や環境因子もあります。

確実に一定の効果が得られるわけではないため、効いていると感じられない状況も出てくると思います。

また、ワクチンが実際に流行している型とは違っていた場合は効果が落ちてしまいます。

現代医学の限界でしょうが、こういった事態がないことを祈るばかりです。

 

感染予防は予防接種のみで完結するものではありません。

インフルエンザにかかってしまったということは、予防接種が効いていないのではなく、その前の段階で防げなかったということなのです。

君子危うきに近寄らず。これが最強です。

 

予防接種を受けるかどうか、ご参考にしていただければと思います。

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